仕事柄、お客さんに直筆サインを記入していただく機会が多いです。
今まで多くの方の文字を見てきたけれども、先日こちらの客さんのサインを見て数年ぶりに驚きました。印刷物と見紛う筆跡。
さらさらとふだんの様子で書いて下さったサイン。会社へ戻ってサイン書類を整理していた際、その字体の美しさにはじめて気付き、寒気すら覚えたのです。
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今日もまた直筆サインをいただく場面になった直前、その思いを、我慢できず伝えました。
「字がレタリングのようにきれいですよね」
したらお客さん、「あ、実は、」とぼちぼち、話し始めました。
「小学校時代から多動性の障害児だったんです。高校も行けませんでした。授業をまともに受けたことがなくて、一人で辞書を見て、字を覚えたんです。なので、書き順がめちゃくちゃで。字を絵だと認識しているんです。絵を描くモードで、字を書いているんです」
実際に書いている手元を見せていただくと、ほんまに書き順セオリーめっちゃくちゃや!
すっげーー☆彡
かっけー☆彡☆彡
そんな書き順するぅ~!? 斜め上すぎるわ!
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しょこたん、っていうアイドルを思い出した。彼女、超絶に絵が上手くてね。
人物画が最高に上手で。
以前、しょこたんさんが人物画を描いている手元を撮っている動画をみたことがあってね。油性マジックで人物を描いている様子の一部始終なのですが、なにが凄いって、まったく迷いのないペンの進め方。
下書きなし。
で、でよ?
いきなり、一投目、目を描き始めるの。
「え、この白紙のこの場所に、目から描き始めるん!?」
っていう驚きね。
その後、いきなり手部分を描き始めて、現段階では連続性をみとめられない髪部分を描き始めてさ。
「いろいろと順番ちがうやろ~!!完成形の予測がつかんぞ!」
んなのに、描き終えた絵は、かんっぺきな構図のカッコいい人物画になってんの。
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これって、書き順無視レタリングの字と同じ才能よねぇ。